熱望に応え緊急上映決定。
『チロンヌㇷ゚カムイ イオマンテ』の長大ロングランを記念し、長らく封印されてきた北村皆雄監督の早期代表作を1週間限定上映します。
1972年・沖縄復帰の年。様々な矛盾が渦巻く最果ての島。
一切の撮影を拒否する秘儀アカマタを伝える集落で、撮影隊がフィルムに収めたものとは。
『アカマタの歌―海南小記序説/西表島・古見』
(1973年/84分/カラー/4:3)
監督:北村皆雄
撮影:柳瀬裕史
音楽:上地昇
録音:石河利之・三浦大和
制作:松村修・北村皆雄・小川克巳
語り:鈴木瑞穂
製作:遊行鬼
配給:ヴィジュアルフォークロア
2022年6月11日(土)〜17日(金)各日15:00より 1週間限定上映
ポレポレ東中野にて https://pole2.co.jp/
【あらすじ】
西表島・古見の豊年祭には、アカマタをはじめ仮面仮装の来訪神が登場する。秘儀の撮影を拒まれた撮影スタッフは、その拒絶のエネルギーの根源を探るため集落の17軒ひとつひとつを訪ね歩き、オーラルヒストリーを記録する。そこで見えてきたのは、伝統的なアカマタを信仰する土着の人々と新しい移住者たちの対立。炭鉱からの脱走者、島を捨て離れた者たちの存在だった…。
沖縄が返還された1972年。最果ての島で、うめくように必死に生きる人びとの生を、記念写真のようにカメラが記録する。
【監督のことば】
50年前、沖縄の日本復帰直後1972年の夏、無謀にもこの祭祀の撮影に訪れた。しかしスタッフは「アカマタを撮ったら殺(くる)す」と激しく拒まれた。
たった17軒しかない村で、カメラをこれほど激しく拒否する秘儀とは何なのか?
村を離れ、石垣島の街や那覇、大阪、東京といった都市に移住していった人々が、このアカマタの祭りには必ず帰ってくる求心力は何なのだろうか?
島=共同体の核を探ってみたい。別にアカマタの祭りのシーンなど撮らなくてもいい、祭りの映画ではなく、島人の家族のドキュメント、それぞれのヒストリーを記録したいとの考えで作った映画である。
撮影を嫌う古見の一軒一軒に「家族の記念写真を撮らせて下さい」と訪ねた。
「記念写真」という言い方は、わりあいすんなりと受け入れられた。
これは、ムービーの前に立つ17軒の島の家族と、島から町(都市)へ「島の心=アカマタ精神」をかかえて去っていった人々とで構成する記念写真映画である。
島を離れた者は、アカマタへの思いを一層強く胸に抱えて、高度成長を歩む都会で生きていた。
残った17軒の古見部落には、伝統的なアカマタを信仰する土着の人々と新興の宗教を信ずる移住者たちとの複雑な人間模様、葛藤があった。
このドキュメンタリーは、赤裸々な告白を含むため、長い間上映を封印してきたが、一つの島の時代の記録としての意味を考え、あえて公開することにした。
【イベント予定】
6/11(土)上映後
初日舞台挨拶<登壇>
北村皆雄(監督)、松村修(制作)
6/12(日)上映後
舞台挨拶<登壇>
北村皆雄(監督)
6/13(月)上映後
舞台挨拶<登壇>
松村修(制作)
6/14(火)上映後
舞台挨拶<登壇>
北村皆雄(監督)
6/17(金)上映後
最終日舞台挨拶<登壇>
北村皆雄(監督/予定)、松村修(制作)
※登壇者は変更になる可能性があります。ご了承ください
※登壇者はマスク着用の上おこないます
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